リフィル処方せんについて

2022年4月の診療報酬改訂から、諸外国では広く行われているリフィル処方せん制度が日本でも始まりました。主な目的としては、「薬のみ処方希望」の外来患者さんが、実際には医師法で「無診療投薬の禁止」が定められているのにかかわらず一定数いること、それによる外来医療費の削減を国が目指したことです。しかし実際にはリフィル処方せんは忙しい患者さんにとっては便利な制度であり、待ち時間削減にもつながりますので当院では長期間同じ処方がみこまれる、症状が安定している患者さんのみにリフィル処方を行っております。

リフィル処方は1枚の処方箋を、調剤薬局で3回使える処方で、主に

28日〜30日処方を(1回目)病院を受診して処方→薬局で調剤 (2回目) 1回目の処方日の1週間前後を期限として薬局で2回目調剤 (3回目)2回目の処方日の1週間前後を期限として薬局で3回目調剤


という、病院を1ヶ月ごと受診しなくて薬局で期限通りお薬を頂けば済む処方せんです。非常に便利ではありますが、リフィル処方せんの内容を変えることはできませんので、ほぼ同じ処方の方に限られます。(例えば今回は軟膏○本、ローション△本加えてください、とかはできません)

そしてリフィル処方が始まって半年が過ぎ・・・思うことといえば、

処方箋の紛失、処方期限切れは厳禁で、紛失してしまったとき以降の期間の処方は、3回目処方が切れる期間分までに再処方をご希望される場合には自費負担となります。他の病院に行ったら同じ処方が受けられるかどうかは、実際には処方記録が各保険(社会保険、国民保険)のコンピューターのデータとして残っているため、同じ病気で似たような処方がなされていた時には重複処方として、あとで自費負担となってしまう場合があります。ただ、症状悪化や変化の時には、症状に関して詳しく記載すると「悪化」や「変化」ということで大丈夫なこともあります。ここは保険を審査する期間の見解がかかってきますので、なくしたリフィル処方せんの代わり処方には受けた医師も慎重にならざるを得ません。

なので、リフィル処方箋をご希望される場合には必ずご希望がかなう訳ではありませんので、ご留意ください。リフィル処方箋ができそうな患者様には、一応私のほうからもご提案させていただいております。あと、リフィル処方箋は絶対になくさないでくださいね! なくさない工夫として、私は自分の家族の分は机のビニールカバーの下に入れて期限を注意して見ております。ほかにはお薬手帳のポケットに入れておく、カレンダーに期限を記入しておく、などがあります。(リフィル処方時に、必ず薬剤師さんが期限を説明してくださっておりますので、聞き漏らさないようにしてください。)

あと、当院では未成年の方にはリフィル処方は出さないことにしております。特に自分で症状の変化が把握できない未成年の方には必ず診察していただきたいと考えているからです。どうしても、学校の都合などで来られない方は、保護者の方に携帯などで症状の写真を撮っていただいて、実際確認をすると写真でもやはり良くなったり悪くなったりと症状に波があるようです。ご理解いただければ幸いです。

それでは、地域の便利な皮膚科、おせっかいな皮膚科ですが、待ち時間軽減と患者様の利便性向上に向けて頑張って行きたいと思います。リフィル処方箋はなくさないで、期限忘れないでくださいね!