2025年11月27日

甲種防火管理者研修を受講しました
診療所では、利用者が30名以上となる場合、防火管理のために「甲種防火管理者」を選任することが法律で定められています(消防法第8条第1項)。
当院には通常、火気といえば水虫の検査で使うライター程度しかありませんが、
混雑時には待合室と診察室でスタッフ以外に25名を超えることもあり、
防火管理者の選任は必要になります。
本来であれば開業前に取得しておくべき資格ではありますが、当院はコロナ禍で開業したため、
密を避けることが前提で、「30名超の状態」はまったく想定していませんでした。
■ そもそも受講した理由は…マンション管理組合
実は今回の受講は「クリニックのため」だけではありません。
私が住んでいるマンションの管理組合で、持ち回りで防火管理者を出すことになり、
今年は私の担当に。
土曜日に開催される管理組合の会議に出席するのが難しく、
「資格だけ取得しておけば…」という軽い気持ちで申し込んだのが運の尽きでした。
■ 受講のハードルが高すぎる問題
管理会社の方からは
「浦和会館でも時々やってますよ〜」
と軽く言われたので検索してみたところ、受付時間外。
そもそも受付時間が非常に短い。
しかも、講習会は土日の2日間。最後にテストまであります。
越谷・東京・横浜などの会場を片っ端から申し込もうとしたものの、
受付開始と同時に“満員御礼”。
「こんなニッチな資格を取る人、そんなにいるの?」
「皆さんマンションの管理組合ですか?」
とツッコミたくなる状況でした。
■ 救世主に見えた“Web講習”の罠
よく見たら、Web講習の項目に
⭐️ 11時間
❤️ 11日間(1日1時間)
とあり、
「パソコンを開いて流しておけば良いのでは?」
と安易に考えてしまいました。
しかし、受付開始2日後に申し込もうとした時には、
収容人数500名のWeb講習までも満員。
外来の合間にスマホを隣に、受付開始時間直後に申し込むという
オンライン争奪戦を行う羽目になりました。
(5分出遅れただけで満員御礼…画面を連打して、奇跡的に滑り込みました。)
■ AI監視と戦う“防火管理者ウェビナー”
講習終了3日前、忘れかけていた頃に届いたメール。
期限後は動画視聴不可。資格も無効になります。
😨冷汗😨。
11月の3連休は講演スライド作りと並行して受講することにしました。
ところが、受講を始めてすぐ判明。
● AIボイス × 顔認証 × 目線トラッキング
眠気を誘うAI音声に加え、
目線が逸れると5分前に戻されるという鬼仕様。
トイレ → 目線外れ → 5分戻る
スライド作成 → 目線外れ → 5分戻る
「受講者の動きが検知できません」
「目線の動きが異常です」
と警告の嵐。
トイレにもスマホを持ち込みましたが、
**“トイレ姿勢で5分戻される”**という珍体験まで味わうことに。
おかげでプレッシャーでお腹まで壊しました。
■ 講習は延長戦へ
講習は結局、翌火曜日夜まで持ち越し。
連休明けの診療後に頑張ってなんとか完了しました。
Web講習は30%が途中脱落するとのこと。
「そりゃそうだろう…」というAI監視の厳しさでした。
私は管理組合から経費が出ている手前、
脱落するわけにもいかず必死でした。
■ クリニックにも役に立つ資格です
苦労して取得した甲種防火管理者資格ですが、
クリニックの安全確保にも役立つ大切な資格です。
もちろん、当院としては
「30名以上の超混雑」は避けたいところではありますが、
万が一の際もしっかり対応できるよう、
今回の経験を活かしてまいります。
