アレルギー科
アレルギー科とは
ヒトには、ウイルスや細菌といった異物が体内に侵入しようとする際に、これらを撃退する免疫機能というのが備わっています。
ただ、この機能というのは、体に害を与えないもの(食物や花粉など)にまで過剰に反応し、その結果自身を傷つける症状が起きるようになります。
これをアレルギーと言います。
アレルギー科では、アレルゲン(抗原:アレルギー症状を引き起こす原因物質)により、目、鼻、耳、気管支などに現れる様々な症状について、診察、治療を行います。
アレルギー科で取り扱う代表的な疾患
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、アレルゲンを吸入することで抗原と抗体が鼻の粘膜で反応し、鼻症状を起こす疾患です。
風邪と似た症状が現れますが、のどの痛みや発熱などは伴いません。
よく見られる症状がくしゃみ・鼻水・鼻づまりで、これは3大症状とも言われています。
なお小児の場合は、小児ぜん息やアトピー性皮膚炎を併発することもあります。
発症の原因は、主にハウスダスト(家の埃やダニの糞・死骸など)ですが、そのほかにもペットの毛やフケ、カビが原因の場合もあります。
季節に関係なく発症することから通年性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。
なお、花粉がアレルゲンで同じような症状が起きる場合は、花粉症と呼ばれます。
花粉症もアレルギー性鼻炎の一種ですが、花粉が飛ぶ季節は限定されるので、季節性アレルギー鼻炎と言われます。
治療につきましては、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド剤などを使用して症状を抑えるようにします。
また、アレルゲンからできるだけ避ける工夫も必要です。
具体的には、ハウスダスト対策を徹底するべく、部屋の中をこまめに掃除し、寝具を干すといったことを行います。
当院ではハウスダストアレルギーの有無をイムノキャップ(8種類)で20分、ドロップスクリーン(41種類)で20分、指先からの少量の採血で調べることができます。小さなお子様でも検査可能です。
花粉症
花粉症は、植物の花粉がアレルゲンとなって、目のかゆみ・異物感・充血、涙、立て続けのくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、などの症状を引き起こします。
ひどい場合は、せき、喉や皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、微熱、不眠、下痢、体や顔のほてり、イライラ感などもみられるようになります。
これらの症状は、肉体的にも精神的にもダメージを受けやすく、集中力を欠くほか、意欲も低下するなど、いわゆる生活の質(QOL)を大きく損なうことも考えられますので、これらの症状でお悩みの方は速やかにご受診ください。
なお、花粉による原因物質には、スギやヒノキがよく知られていますが、シラカンバ、ハンノキ、カモガヤ、イネ、ブタクサ、ヨモギなども花粉症の原因になることがあります。
花粉症と診断されたら、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを軽減させる効果がある抗ヒスタミン薬を服用します。
とくに鼻づまりの症状が強い場合は、局所ステロイドの点鼻薬を併用します。
このステロイドは、ごく少量であり、副作用はほとんど見られません。
このほか、目のかゆみ・異物感などの症状があれば、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を用います。
当院ではスギ花粉アレルギーの有無をイムノキャップ(8種類)で20分、ドロップスクリーン(41種類)で20分、指先からの少量の採血で調べることができます。小さなお子様でも検査可能です。
食物アレルギー
食物アレルギーは、赤ちゃんや幼児に多く見られ、アレルゲンとされる食品を摂取することで起きてしまうアレルギー反応です。
食物のアレルゲンはいろいろありますが、代表的なものをいくつか挙げますと、牛乳やチーズ、バターなどの乳製品、卵、大豆、米、小麦粉、そば、ナッツ類(ピーナッツやカシューナッツなど)、果物、甲殻類(エビ、カニなど)など多数です。
また、今まで問題がなかった食品に対して、ある日突然、体が反応してしまうこともあります。
主な症状ですが、じんましんなどの皮膚症状、せき、ぜん鳴などの呼吸器症状、下痢や嘔吐、腹痛といった消化管症状、アナフィラキシー・ショックなど様々です。
とくに要注意なのがアナフィラキシー・ショックを起こしている場合で、この症状を起こすと血圧が下がり、呼吸困難となって、意識がなくなります。
そのため速やかに適切な処置を施す必要があります。
当院ではアドレナリン注射薬(エピペンⓇ)の処方が可能ですので、ご相談ください。
治療で一番大事なのは、まずアレルギーの原因となっている食品の摂取を止めることです。
原因となる食物がわからない場合は、アレルギー検査で特定させます。
アレルギー検査には、血液検査とプリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストなどがあります。
アナフィラキシー歴がある場合には、入院検査が可能な医療機関にご紹介して慎重にテストを行う必要があります。
このほか対症療法として、じんましんや痒みなど皮膚の症状が出ている場合は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を内服します。
薬剤アレルギー
金属アレルギー
アレルギー科で取り扱う代表的な検査
血液検査
薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST):薬剤によるアレルギーの中でも、内服薬や注射薬によるⅣ型アレルギー反応と考えられる場合に行う検査です。原因として疑われる薬剤そのものと、採取した血液のリンパ球とを反応させることにより行い、患者様のその薬剤に対するアレルギーの有無と程度を判定します。薬疹が出た場合には保険適応になりますが、出ていない場合には自費診療になります(自費の場合には高額な検査になります。)なるべくお薬手帳と内服した薬を全てご持参ください。内服した薬を処方した病院の経過を記載した紹介状があるのが望ましいです。調べられる薬剤の種類にも限りがありますので、ご相談ください。
パッチテスト
プリックテスト・スクラッチテスト